はじめに食品EC事業を展開するオイシックス・ラ・大地株式会社様では、2024年7月から生成AI活用プロジェクトを本格始動。12月より株式会社Hitamukiの伴走型支援を導入し、着実な成果を積み重ねています。今回は、プロジェクトを牽引する岸本様と現場運用を担当するユセコ様に、生成AI導入の経緯から具体的な成果、今後の展望まで詳しくお話を伺いました。支援のきっかけ:「やってみよう」の決断――生成AI活用を検討されたきっかけを教えてください。岸本様: 最初はシステム部門が先行してAmazon Bedrockの環境を整備し、各自のスキルアップを目的として自由に使える状態にしていました。この段階では個人の学習や慣れ親しむことが主な目的でした。その後、より実務での利用を促進すべく、利益貢献を目標にプロジェクトを組成することにしたんです。7月にプロジェクトを立ち上げてから1ヶ月ほどで澤田さん(株式会社Hitamuki代表取締役)とお会いしました。自分たちだけでプロンプトを学んでいるだけでは、スピード感がまだ遅いと感じていたので、ちょうど有識者の方に相談に乗ってもらえる体制が欲しいと考えているタイミングでした。――数ある支援会社の中から弊社を選んでいただいた理由は?岸本様: 実は他社さんからもお見積もりをいただいていました。その会社さんは業界的に実績もあったのですが、なかなかリアクションも遅く、忙しそうでした。それで「もう少し小さいところの方がいいんじゃないか」と考えたんです。まだそんなに忙しくなり始めていない会社の方が、一緒に走ってくれるんじゃないかと。不安もありましたが、不安よりも「まず動いてみた方がいい」という気持ちが強かったですね。予算の範囲内であれば私の責任で進められますし、正直、3ヶ月ぐらいで継続をどうするかを見極めようとも思っていましたので、フットワーク軽く始めてみようという感じでした。伴走型支援の価値:プロジェクトメンバーとしての柔軟性――実際に支援が始まって、弊社のサービスをどう感じられましたか?岸本様:澤田さんが私のディスカッションパートナーになってくれているところが非常にありがたいです。実務に直結しないけれど「こういうことを知りたい」「こういうこともやれるようになりたい」といったことを相談でき、生成AIツールの調査や市場の動向の共有などもしていただいています。戦略部分での伴走というか、ご協力いただける相談相手が他になかったので、本当に助かりました。ユセコ様:現場の視点でいうと、まず返信の速さが印象的でした。弊社の行動規範でもスピード感を重視しているのですが、どのタイミングでご連絡しても、素早くご回答いただけるのは大変ありがたかったです。また、多くのコンサルタントに依頼すると、会社のことを知ってもらうのに時間がかかりますが、弊社のコミュニケーションツールに入っていただいて、弊社の環境に合わせて回答いただけたのがとても良かったです。――他社サービスとの違いで感じる部分はありますか?岸本様: Hitamukiさんを選んだのは、澤田さんに「プロジェクトメンバーの一員として扱ってもらっていいですよ」と言ってもらったのが、決め手の一つでした。その言葉の通りに、契約内容以外のことでも相談すると、できないものはできないと言ってくれますが、「こうやったらできる」「それだったらご協力できる」と、かなり柔軟に要望を聞いてくださっていて助かっています。ユセコ様: 岸本と同様なのですが、プロジェクトメンバーの一員のようにやり取りさせていただいているのが本当に大きいです。生成AI活用を社内で進めていくと、いろんなところから相談が集約されてきます。私がハブとなって都度ご依頼するのでは限界がありますが、直接、Hitamukiさんにご依頼やご相談ができるコミュニケーション環境があるので、とても助かっています。具体的な成果:予想を上回る効果の実現――印象に残っている支援内容はありますか?岸本様:例えば、ワークフロー内での生成AI活用ポイントがわかるプロンプトを作って欲しいといった、実務に直結しないけれど重要な相談にも対応していただいています。こういうことを知りたい、こういうこともやれるようになりたいといったことを気軽に相談できる環境があるのは本当にありがたいです。ユセコ様:自分なりにプロンプトは書ける状態でしたが、どうしても自身の力だけでは、クリアできないハードルがありました。長文のプロンプトや複数ステップを踏む必要があるものなどです。複数社に相談していましたが、「難しいですね」という回答が多い中で、Hitamukiさんは圧倒的にスピードが速く、「これだったらできますよ」という新しい提案を毎回いただけました。――予想を上回った効果はありましたか?岸本様: 販促文の自動生成で大きな効果を感じています。以前は情報の鮮度が悪く、マスターデータが変わっているのに販促文は更新されていないことがよくありました。生成AIがマスターデータをもとに販促文を作り上げることで、まずはマスターデータとの不整合を防げています。さらに、生成AIなら何十パターンでも作ってくれるので、お客様の特性に応じた販促文にアレンジしたり、特集の企画意図を汲んだ内容にしたりと、これまで人間前提では限られていたリソースの制約を突破できる可能性を感じています。こうした成果を通じて、人間前提で組まれていたオペレーション全体を生成AI前提で見直していくことの重要性を実感しています。ユセコ様:A/Bテストで人が作ったものと生成AIが作ったものを比較したとき、生成AIが勝つパターンもありました。生成AIが作ったものから「こういう書き方をすればCVが上がる」といった知見を得られるのは、予想を上回った効果でした。社内の変化:興味はあるが活用への課題も――社内のAIに対する反応や変化はいかがですか?岸本様:社内で生成AI活用への興味は確実に広がっています。当初のプロジェクトメンバーが社内記事としてアップしてくれたりして、さらにその先の人たちから「そんなことできるんだったら、うちの部署でもこういうことできますか」といった声が広まってきています。社内から「どうやってるんですか?」と聞かれることも増えてきており、確実に生成AIへの関心は広がっていると感じています。ただ、個人的にはもっと多くの部署から相談をもらえると嬉しいなと思っています。我々としても、もっと積極的にアピールしていく必要があると感じているのでその辺りも強化していきたいです。また、今は生成AIの活用が評価されるスキルの一つとなっていますが、数年後には基本的なビジネススキルとして定着していくと考えています。かつて就職活動で「ブラインドタッチができますか?」と聞かれていた時代がありましたが、今では誰もが当たり前にできるスキルとなり、質問されることはなくなりました。同じように、生成AIの活用もごく自然な前提のスキルとなり、わざわざ確認されることはなくなるでしょう。だからこそ、今のうちから個人として積極的に取り組み、スキルアップを図ることが重要だと感じています。ユセコ様:興味はあるけれど、どうすればいいかわからないという状況があるかもしれません。どういった形で全社を動かすかも検討していく必要があると考えています。実は弊社では、希望すればボトムアップで若手メンバーを含む幅広い層が主体的に生成AI活用を進められる環境があります。Hitamukiさんがまるでプロジェクトメンバーの一員のように伴走してくださっていることで、取り組みがより加速している実感があります。今後の展望:フード×生成AIの先駆者を目指して――今後の生成AI活用についてお聞かせください。岸本様:弊社での生成AI活用には3段階のステップがあると考えています。ファーストステップは、今やっている人間の業務を生成AIに変えて生産性を上げること。セカンドステップは「生成AIだからできる」こと、例えば販促文を1パターンではなく10パターン、20パターン作るといったことです。最終的には、ビジネスとして売上・利益の柱になるようなサードステップまで到達したいと考えています。事業会社が生成AIをうまく使って、何らかのサービスに繋げられるものを見出せればと思います。ユセコ様:フードを扱っている事業なので、フード×生成AIの先駆者として頑張りたいです。生成AIに限らないですが、フードテックの分野で貢献していきたいと考えています。――組織全体での推進についてはいかがでしょうか?岸本様: 全部門で、今のユセコさんぐらいのレベル感で生成AIを使えて、プロンプトやAIエージェントで生産性を上げられる人材を各部署に欲しいと思っています。それと並行して、ユセコさんぐらいできる人で、生成AIだからこそできることにスピード感を持って取り組める人材も社内で育てたいです。Hitamukiさんとの関係も、ファーストフェーズは自分たちでやり、セカンド・サードフェーズの難易度が高いことを一緒にやっていきたいという形になると思います。同じ課題を抱える企業へのメッセージ――生成AI活用を検討している企業様にメッセージをお願いします。岸本様: やってみた方がいいと思います。当然セキュリティリスクなど、いろんなリスクをしっかり潰さなければいけませんが、「どう使えるんだろう」と悩んでいるなら、Hitamukiさんのような一緒に走ってくれるところと組んで、もうやってみた方がいいんじゃないでしょうか。生成AIの進歩は止まらないので、迷っているとどんどん置いていかれるという感じがします。ユセコ様:生成AIはどんどん進歩が早いので、進歩するまで待つよりも、一緒に進みながらPDCAを回して進めていくのが一番早いですし、人間自身も成長できると思います。――生成AI活用を成功させるために重要なポイントを3つ挙げるとすれば?岸本様:一歩踏み出すこと - まずは始めてみることが非常に大事です各部署に使える人材を作ること - システム部門だけができればいいという世界観ではありません。各部署に一定水準まで使える人材が必要ですオリジナルデータの活用 - 他社との差別化には、自社ならではのデータを生成AIに活用させることが重要になって来るのではないかと考えています。伴走型支援への評価――弊社サービスの評価をお聞かせください。ユセコ様: 生成AIと一言で言っても、テキスト、音声、画像など様々な分野があります。それを包括的に対応してくださるのがありがたいです。弊社のプロジェクトメンバーにもいろんな分野のメンバーがいるので、質問の切り口も変わりますが、画像や動画の生成AI活用について質問しても調査してご回答いただけます。岸本様:フットワーク軽くやってくれるところからスタートしていますが、ちゃんと価値を提供いただければ、もっと投資してもいいと思っています。一緒に大きな成果を出せればいいなと思っているので、ビジネスパートナーとして共に成長していければ嬉しいです。――弊社サービスを、他社さんに推薦していただけますでしょうか。岸本様:実際にイベントなどで「どうやってるんですか?」と聞かれたときには、「生成AIの会社さんとアドバイザー契約を結んで、相談できる体制を作ったら進み始めた」とお答えしています。自社で勉強ばかりしていて動かないよりも、とりあえずでもやってみた方がいいですし、その際にHitamukiさんはおすすめできるパートナーだと感じています。ユセコ様:推薦するかどうかは、その会社のステージによると思います。これから生成AI活用を始めようという段階や、活用を進めているけれど拡大方法を模索している段階の会社さんには、Hitamukiさんがぴったりだと思います。一方で、生成AI活用の専任部署やDXの部門がしっかりしている会社さんなら、ピンポイントで活用できる会社に依頼した方がいいかもしれません。まとめオイシックス・ラ・大地株式会社様の事例は、「まず始めてみる」ことの重要性と、適切なパートナーとの伴走による着実な成果創出の好例です。フード×生成AIの先駆者を目指す同社の今後の展開にも注目が集まります。生成AI活用を検討されている企業様にとって、「小さく始めて大きく育てる」アプローチの参考となる事例といえるでしょう。